3DCG

造形部CG課『メガボスコドラ』制作手順書①

3DCG「モデリング」を丁寧にやりこむコンテンツ

ポケモン図鑑 https://zukan.pokemon.co.jp/detail/306-1

今回、みなさんご存じポケットモンスターより『メガボスコドラ』を製作する。

メガボスコドラを選んだ理由としては、

  1. 曲面と鋭角がはっきりしたデザイン
  2. 細かく複雑な凹凸が少ない
  3. そして何より、私の好きなデザインのポケモンであるからだ!

①に関して、私のような初心者がモデリングを進めるうえで、次の流れが非常にあるあるだからである。

 何となく形をつくる ↓

 サブディビジョンサーフェス(なめらかになる)をかける ↓

 あれ?全体的になめらかできれいだけど、角丸くなった…

という苦悶を何度も強いられてきた。

今回はその問題を解決しながらモデリングを行う。

②に関して、メガボスコドラは頭部の造形はやや複雑であるものの、体は非常にシンプルで製作カロリーが低い。

基本的に四角や円筒型のモデリングは自分であれこれしなくても、それっぽい形を作れるからだ。

③に関して、モチベーションが上がるデザインのものを作ることは大切!いちばん大切!

それでは次項から、実際の制作過程を踏まえながらモデリングのひととおりの流れを見ていこう。

頭部(head)のモデリング

頭部を1~3に分けてモデリングする

さっそく、頭部の一番目(head.1)からモデリングしていく。

このhead.1は、やや癖のある形をしているため、結果として思ったより時間がかかった。

しかし、モデリングしていくうえでの私の考え方をまとめるのに非常に有用な形をしていたのはありがたいと思う。

モデリングは「最初のメッシュを生成して、それをいじって思い通りの形を作るのが一般的な流れだ。

最初はとにかくシンプルな形でいい。

四角の板1枚でも、立方体1個でも、もしくは円や球でもOK。

そう見えるような大味な塊を作るのが第一ステップだ。

しかし、私を含めた初心者には初手からこんな悩みが発生する

…立方体から作る?

…平面から作る?

どうしよう。

手順をある程度考え、トライ&エラーでやってみる。

なかなか上手くいかなくて何度かやり直したが、結果として立方体から作ることにした。

head.1は立方体の頂点を動かして思い通りの形を少しずつ作る

head.1を作る際のポイント→ポリゴン(頂点)の流れに注意する

ポリゴンがきれいな直線曲線に並んでいるモデリングジグザクになってしまったモデリングは、明らかに前者の方が良い。

理由は、後々の作業のしやすさを考えると、ポリゴンはきれいに並んでいるに越したことはないからだ。

ポリゴンの流れはできるだけジグザグにならないように気をつけよう

大まかな形を作り、その後細かい部分を作り足していくと思ったようにモデリングしやすい。

始めにポリゴンを細かく細かくしながらモデリングすると、後で調整したいときにたくさんの頂点を動かして調整する必要が出てくる。

そのため、最初はざっくりとした形でいいから少ないポリゴンで形を作り、細かい部分を整えるためにポリゴンを増やして調整するという順番はできるだけ守りたい。

この細かい調整作業の時、ポリコンがジグザグになっていたら?

  • 細かい部分を作るためにポリゴンを増やしたいが、どこの部分のポリゴンを増やせばいいのかわけわからない!
  • ポリゴンがばらばら頭がごちゃごちゃ!

私もついついポリゴンをジグザグに配置してしまい、よく頭がごちゃごちゃになるので特に注意している。

参考動画もどうぞ

3Dのメモ帳というYouTubeチャンネル よく見てます

★なめらかな部分と鋭角の部分を作りたい→クリース機能を使おう

ある程度の形ができてきたら、カクカクでなくなめらか~にしたいと思うだろう。

いよいよ表面をなめらかにしようという時に「サブディビジョンサーフェス」を使おう。

サブディビジョンサーフェスを使えば、自分できれいな曲線になるようにポリゴンを並べなくても、自動でなめらか~な見た目にできる。

サブディビジョンサーフェス 左:なし  右:あり
おまけ  鋭角をはっきり出したいときの設定もあるぞ!

そう、自動でなめらか~になる。全て。

あることをしないと角はすべて丸くなって、ぼやっとしたデザインになってしまう。

今回は、なめらかな部分はなめらかに、鋭角はきりっとシャープにしたいので、ある作業を行う。

クリースという機能を使用する。

クリースとは、サブディビジョンサーフェスを使用したときに「どれくらい鋭く or なめらかにするか調整するパラメータ」である。

上のリンクに図解ですごくわかりやすく解説されている。

使い方は簡単。

 辺を選択→「Shift」+「E」→マウスを動かす

この作業で、以下のようなシャープな辺を作ることができる。

クリースのおかげで、ふちがシャープに

金属のような「曲面と鋭角がはっきりしている形」のモデリングには必須だと思う。

以上の製作工程により、head.1ができた。

head.2を作る際のポイント→head.1と形が似ている部分は流用して、角は円を伸ばしてくっつけよう

何でも流用する、大事なことです

head.3も、もちろん流用!

似た形の部分はどんどん使って、楽をしていいと思う。

理想とする形を作ることが第一の目的で、手間をかけすぎるのはカロリーがちょっともったいない。

サクサクモデリングしてモチベーションも上げていきたいところ。

head.1 から 3 ができた

次は顔部分(face)をモデリングしていく。

続く