3DCGのベースである「モデリング工程」を完成させる

前回に引き続き、メガボスコドラの「モデリング」を進めていこう。
今回は、胴体(body)、腕(arm)、脚(leg)、足(foot)を作り込んで「モデリング」を完成までもっていきたい。
前回までの内容は以下参照。
複雑な形のモデリングはある程度終わっているので、残りは丁寧にサクサク進めていく。
胴体(body)のモデリング
胴体(body) は、先に作っておいた 胸部(chest)と腹部(stomach)に合うような形にする。
当然、胸部(chest)と腹部(stomach)の部分は後々見えない部分ではあるが、きれいなモデリングに手抜きは目立つので変にデコボコなったりしないように気をつけたいところ。
円柱の初期メッシュを出して、樽を作るイメージで形を整えつつ胸部(chest)と腹部(stomach)にフィットさせればOK。
ひとつ、苦戦したことがあった。
斜めの状態でポリゴンの調整を行うのはものすごい手間ばかりかかってしまうということである。
blenderでは、xyzの各方向に拡大縮小することは容易で、例えば拡縮[Sキー]の後に[xキー]を押せばx軸方向のみの拡縮となるといった具合だ。
任意の斜め方向に自由に拡縮できる方法を調べておこう。

腹部(stomach)の穴からできるだけずれないよう調整した。
出来上がった胴体(body)は次の画像のとおり。ミニリュウだ。
少しくびれが見えるのは、腹部(stomach)に形を合わせているからで、これだけ見ると見栄えとしてはあまりよろしくはないように思える。

腕(arm)のモデリング
腕(arm)は、
- shoulder
- arm.1~arm.3
- claw.arm
に分けてモデリングしていく。
肩(shoulder)は、最初にUV球の初期メッシュから角を生やすだけのお手軽な作業で完成。

arm.1とarm.2は円柱を初期メッシュとして、くびれをつければ出来上がり。
★円柱を初期メッシュとして追加する際、頂点16(角形)にするのがよいと感じた。
(見た目と調整する頂点の数のバランスで何となく判断しているため、異論は認める)
また、arm.3はhead.2の角と似た形をしているので流用した。


claw.armは、角のように円錐形ではなく尖った三角錐にしたかったので、平面を「くの字」に折り曲げて作った。
そのため、底部がやや平べったくなっている。

腕(arm)をすべて表示すると、ごらんのとおり。

脚(leg)と足(foot)のモデリング
脚(leg)は円柱から制作、足(foot)は立方体から制作した。
leg.1は普通のつぼ型円柱を作り、その上にleg.2を被せて、leg.1がチラ見せ状態になるようにした。
leg.1の下部はfootとの接続部になるため、このように少しはみ出させている。
ちなみにleg.2は繋がったひとつのオブジェクトとしてつくってある。


足(foot)はつぶれた餅のような形をつくって、土踏まずを追加すればそれっぽく見えるようになった。
このように、サブディビジョンサーフェスを使う時に辺のクリースを使う/使わないは制作する対象の特徴によるので、適切に使い分けていくことが大切だ。

最後に、足(foot)の爪(claw.foot)を腕の爪(claw.arm)から流用し脚部も完成。
ついでに尾のリング(tail.1~3)もつけてみた。

細部の調整:頭部(head)と腕(arm)に穴を開ける
いちばん始めに貼った画像のとおり、メガボスコドラには頭部(head)と腕(arm)に穴が開いている。
この穴を作っていこう。
★穴の作り方は以下のとおり。ポイントはナイフツールを使うこと!
手順① 割り(ポリゴンの数)を増やして穴を追加する場所を決める。

手順② ナイフツール[Kキー]で穴を開ける部分に切れ込みを入れる。
※切れ込みを入れると五角形ができるので、斜めに切れ込みを入れて四角形にしよう。

手順③ 穴を開ける部分のポリゴンを削除する。面選択モード[テンキーでない方の数字の3キー]で面を削除すると間違いが少ない。

手順④ 延長[Eキー]して穴の厚みを作り、今回は辺クリースで穴の周りをシャープにする。
※穴の底を閉じるかどうかは状況によるので、閉じる場合は左上の「面」→「グリッドフィル」を選択。

手順⑤ 穴を開ける各部分に手順①~④を行う。
頭部(head)と腕(arm)に穴を開けることができたら、完成は目前だ。


★辺をシャープにするための更にワンポイント
辺選択モード[テンキーでない2キー]で、「辺を選択」→「シャープをマーク」
下画像のように、辺クリース機能を使ってもなめらかなままの部分がシャープに!


やっとモデリング工程が完了!
最後に、黒目の部分を作ってモデリングが完了!
仕上がりを動画でご覧ください。
【モデリング工程 総括】
- 辺のクリース機能を使えるようになった。
- モデリングの手順を自ら考えることで、より良く、より効率的にモデリングする意識を高めた。
- 立体に対するイメージ力が上がった。
何より、自分自身が楽しみながら制作できたのがいちばんかと思う。
次回は、作成したメガボスコドラをベースに「テクスチャ」の知識を深めていく。
(続く)