いよいよモデルを動かす時が来た
これまで「モデリング」で形をつくり、「マテリアル」設定で見た目と質感を調整してきた。
ここで「はい!出来上がり」でもいい。
でも、Blenderのすごいところはこれから。
「リギング」という作業により、制作したモデルを自分の思い通りに動かすことができるのだ。
動かすといっても、今までモデリングしてきたポリゴンをあっちへこっちへ移動するわけではない。
ボーンと呼ばれる操作軸を新たに追加し、ボーンにポリゴンが追従してくるようにして動かせるよう設定する。
これまでやってきたこととは少し毛先が異なるが、面白い作業なので早速始めていこう。
手順を整理して、ひとつひとつ丁寧にやる
リギングは、モデルを動かすためのボーンを配置した後にウェイト(どれくらい追従するかの度合い)を決めていく。
大まかな手順は次のとおり。
- アーマチュアからボーンを設置する
- ポリゴンの頂点にウェイトペイントする
- ボーンを動かしながらウェイトの強さを調整する
私自身も整理できていない部分をはっきりさせるため、こちらの動画を参考にしながら作業を進めた。
リギングで混乱しやすいのは、ボーンとモデルをきちんと関連付けしないと思ったようにウェイトを塗れないからだ。
しかも、関連付けするモード(オブジェクトモード)とウェイトを塗るモード(ウェイトペイントモード)を切り替える必要も出てくる。
要するにやることが多いので、順序をつけてひとつひとつ作業を進めることが完成への近道だということだ。
〔作業A〕ボーンの編集
①ボーンの追加は「Shift+A」でアーマチュア
②緑の人マーク→ビューポート表示→最前面にチェック
③ボーンには「オブジェクトモード」「編集モード」「ポーズモード」がある
④ボーンは、これまで扱った「メッシュ」と同様に「動かす:Gキー」「拡縮:Sキー」「延長:Eキー」でOK
⑤ボーンは「頭」「胴」「尾」の3部分がつかめる
以下の図は、①~⑤のイメージ





実際のボーン編集については、先に挙げた参考動画をぜひ見ていただきたい。
今回は超簡単に考えられるよう、下のとおり立方体に合わせてボーンを設置した。
これを使って少し遊んでいく。

〔作業B〕ボーンと立方体の関連付け
ボーンを動かしていて気づいたと思うが、ボーンを動かしても当然、立方体は動かない。
あくまで、ボーンと立方体という2つのオブジェクトがあるだけだ。
この2つを関連付けることで、ボーンを動かすとモデルが動くという状態がつくれるようになる。
①オブジェクトモードで、「立方体を選択」→「Shiftキー押したまま」→「ボーンを選択」→「Ctrl+Pキー」→「アーマチュア変形:空のグループで」を押す
②「ボーンを選択」→「Shiftキー押したまま」→「立方体を選択」→「Ctrl+Tabキー」でウェイトペイントモードを選択
③右上から「ジオメトリ:ワイヤーフにチェック」、「ウェイト0:アクティブを選択」
④ボーンを「Ctrl+左クリック」で選択(ボーンの周りが水色になればOK)
⑤上にある「ウェイトが”0でない”」ことを確認し、頂点を塗る(左クリック)
ウェイト1(赤:強い)← →ウェイト0(青、黒:弱い、無い)





操作自体はこれで終了。
何回かやってみると自然に身につくので、最初は確認しながら丁寧に順序をたどるといいと思う。
この状態で「Rキー」でボーンを動かしてみると…

ボーンと一緒に、色のついた頂点が動いた。
このように、制作したモデルの頂点を直接動かさなくてもボーンを設置することで動かすことができる。
大切なことは、手順を理解してひとつひとつ丁寧にやる、それだけ。
(続く)